仮想世界の旅人

2019-10-30 06:05:00 · 1554 views · 3 min read

ブロックチェーンゲーム(Dappsゲーム)に関連するプロダクトを開発・運営している会社や個人が、まるで示し合わせたようにある共通した理想像を語ることがある。すなわち映画「レディプレイヤーワン」のオアシスに代表されるような仮想世界(バーチャルワールド)で生きる未来だ。それは弊社も例外ではない。原作の著者であるアーネスト・クライン氏が夢想したその世界は、人々が現実世界(リアルワールド)でVRゴーグルなどのデバイスを当たり前のように身に着けて、仮想世界に入り浸って生活する未来だ。その世界で人々は、自身のアバターを持ち、多種多様なエリアで、戦いに明け暮れたり、レースをしたり、あるいはのんびり過ごしたりと、思い思いに過ごしているのである。「レディプレイヤーワン」を観ていない方は、小説/アニメ「ソードアート・オンライン」をイメージしてもらいたい。

 

しかし、ただ単に仮想世界で過ごすことでは、旧来のゲームの域をでない。そこにブロックチェーンが導入されることで、遊ぶこと以上の意味あいを持つようになるのである。キャラクターやアイテム、土地や何らかの権利など、デジタルで表現できるものであればおそらく何でも、ブロックチェーンの仕組みを使うことで、所有権の証明や移譲などをトラストレスに行うことができる。つまり、デジタルデータがデジタルアセットとして価値を持つようになるうえ、プレイヤー同士で自由に取引ができるようになる。例えば、弊社のブロックチェーンゲーム「くりぷ豚」では、豚のキャラクターがデジタルアセットとして、ブロックチェーンで管理されている。まるでご近所さんにおすそ分けするように、仲のいいプレイヤー同士で「くりぷトン」を贈りあうことは実際に行われているし、暗号通貨を介した「くりぷトン」のトレードも行われている。このように、仮想世界にブロックチェーンが導入されることで、価値を持ったデジタルアセットが活発にやり取りされて、まるで現実世界のように経済活動が行われるようになるのだ。

さて、忘れてはならないのが、一口に仮想世界といっても、必ずしもSFやファンタジーのような空想的な世界とは限らないという事だ。AR(拡張現実)やMR(複合現実)の分野が研究され社会実装されつつある現在において、その将来像として予想できることは、現実と瓜二つの鏡像世界(ミラーワールド)の構築である。ここではミラーワールドは、現実世界のモノに重ねあわせるように情報を付加されたものまたは並行するようなかたちで存在するデジタルな世界と定義する。現在ではあらゆる場所がカメラで撮影され、センサーでスキャンされデジタルデータ化されている。Google Earth やGoogle Mapのストリートビューでは、実際にそこにはいないけれど、あたかもその場所にいるかのように周りを見渡すことができる。日本のプロジェクトでは「EXA(エクサ:仮想地球プロジェクト)」などがある。これらもミラーワールドの一片であろう。

 

ミラーワールドのゲーム的活用方法の代表格として「ポケモンGO」と「Minecraft Earth」があげられるだろう。これらのゲームは今のところブロックチェーンは組み込まれていないが、仮にミラーワールドにもブロックチェーンが導入されたならば、どういう事が起こりえるだろうか。例えば、「ポケモンGO」ではポケモンのトレードは当たり前に行われるだろうし、世界で1匹しかいないポケモンもブロックチェーンを使って証明できるかもしれない。例えば、「Minecraft Earth」のダイヤモンドのブロック埋蔵量がブロックチェーンで決まっているならば、そのダイヤモンドブロックが希少価値を持つに至ることは想像に難くない。きっと多くの人がミラーワールドでマイニングに勤しんで一攫千金を夢見るだろう。例えば、お気に入りの「くりぷ豚」を仮想世界から連れてきて、一緒に散歩する事もできるかもしれない。

 

そう遠くない将来、人々はリアルワールドだけでなく、ブロックチェーンがシステムに組み込まれたバーチャルワールドとミラーワールドを行き来しながら生活するようになるのではないか。器用にも二重三重の世界を自分なりに渡り歩き、それぞれの経済圏のひとりとして生きていく。いま私たちは、そのような未来の序章の縁に立ち、ブロックチェーンゲームという表現をもって体現しようとしているのだ。ファンタジー的な突飛な空想も、リアルによりそった空想も、ゲームというモノは寛容でいかなる表現も受け入れてくれる。バーチャルワールドもミラーワールドも取り込んで経済圏が広がるであろうブロックチェーンゲームの未来は明るい。

 

By 株式会社グッドラックスリー くりぷ豚運営チーム 福井正寿

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